建築デザインなどで取り入れられている『アフォーダンス』という考え方、捉え方があります。これはアメリカの知覚心理学者ギブソンが提唱した概念で、afford(〜を与える・産出する・出来る)という動詞を元にした造語です。「環境にある実在物の意味や価値は、人間が作り出すのではなく、環境が提供するために元々備えているものである」と捉えます。『作品』や『貴方』に言葉を置き換え、課題提出の参考にして下さい。難解な概念ですが、『主観と客観』『内と外』などこの講座で度々登場する言葉を理解し深めるためにも、また思い悩むことそれ自体も、頭の筋肉を解すのに役立つでしょう。
ドア |
<ドアの押し板は押すためと分かり、ドアのノブは回すものだと分かる>
ドアがアフォードしているから。 |
椅子 |
<「座れ」と書いていないのに「座れる」ものだと分かる>
椅子自身が「座る」ことをアフォードしているから。 |
ハンドル |
「つかむ」こと「つかまれる」ことをアフォードしている。 |
本 |
本はページをとばし読みされることをアフォードしている。
ページはめくられることをアフォードしており、読まれることをアフォードする。
本は「ある情報を伝達する」という行為をされることをアフォードする。 |
取っ手 |
取っ手を平板にすると、それは押すことをアフォードする。
取っ手をリングにすると、それは引くことをアフォードする。 |
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