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登場人物FAQ |
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お話を考えるとき、設定から考えるのですが、まず人物描写が先なのですか。 |
「人物描写」ではなく、まずは「人物設定」です。ドラマは、漫画も映像も、「魅力的な人物(主人公)」、これにつきます。私もシナリオを始めた時は、刑事ドラマでしたので、事件の目新しさ(貴女の言う「設定」)ばかりを追いかけました。「事件によって揺り動かされる人物の心の葛藤を描く」それがドラマの基本であり、そこに面白さがあることに気付くまで、随分時間がかかりました。それを描くためにも、まず「人物設定」です。金が欲しいと思うのは皆同じでも、貧乏人と金持ちで違いがあり、ドラマが生まれます。素材の面白さだけに頼ると、必ず行き詰まります。池に投げるのは石であろうが、コインであろうが、木の枝であろうが、何でも構わない。何かが落ちた時に出来る波紋が面白いのです。もちろん波紋を起こす目新しい設定も大切です。 (2001.03.12) |
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人物描写は細かいほうが良いでしょうか? |
その人物の個性や、ドラマとの重要な関わりを表すために、その人物の外見や服装などを指定しなければならない時があります。その場合は、その人物が最初に登場した時に、簡潔にト書きの中で指定します。それ以外の、ご自分の思い込みやドラマに関係のないイメージ尊重は無駄です。撮影になった時、現場が気付かず伝わらず、どうせ切られます。
(2001.08.14) |
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キャラが勝手に動き出すとは、具体的にはどういう事ですか? |
シナリオ創作のアプローチには、2つのタイプと方策があると思います。一つは活字を埋めるタイプ。もう一つは映像(イメージ)を描くタイプです。前者は論理的に物語を構築していくタイプで、後者は浮かんでくる映像で話を組み立てて行くタイプ。「キャラが勝手に動き出す」というのは、どちらかといえば、後者の創作者に多いようです。これは右脳と左脳という脳の働きに関連しているのかも知れません。因みに右脳は左手をコントロールして、閃きや想像力に関与し、左脳は右手をコントロールして論理的な思考の源になっているそうです。しかしこれは極端な例えであって、人間にその二つの脳が備わっているように、右脳左脳のバランスや他の脳内の活動で、人は考え、暮らしています。イメージが浮かんでくるから優れた物語が生み出せるのかとも言えませんし、浮かんでも直ぐに画像が止まってしまったり、ずっと砂嵐が続いている方もいます。いずれにせよ映像のイメージを浮かべる鍛錬は必要です。塾生の皆さんには、まずは『テレビ画面に浮かぶご自身の作品』をイメージして頂く、そんな訓練から始めて頂きたいと考えています。この件の詳細、いずれ別項で述べます。 (2001・11.17) |
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登場人物を描くときに、1番大切なことは何ですか? |
自然体ではないでしょうか。そこから「らしさ」も生まれます。ちょっと有り得ない行動というのも人物の魅力なのですが、それを際立たせるのが、日常の中で目にしたり、想像へと繋がるごく一般的な普通の方の、日常中の自然体の行動。そんな中で突飛な行動が現れて、視聴者個々の中に潜む願望であったりすると、共感も呼びますね。その行動を創る時に必要な作業は、人物の感情をしっかり押さえて表現すること。そんな一連の取り組み方が大切だと思います。
(2005.11.17) |
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登場人物を考えるとき、注意しなくちゃいけないことがありますか? |
キャラクターが、途中で理由もなく突然変わることですね。作者の都合にも関わりますが、最初に決めた人物設定を崩さないようにしましょう。「こいつがこんなことするか?」という疑問はNGで、「こんな人でもこうするよな」みたいな納得はいいですね。
(2004.11.10) |
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「人間を描く」とはどういうことですか? |
ブログに反響があり、新たなご質問を得ました。そういえば忘れていた疑問なので、改めて私見を述べます。まずこのセリフは、シナリオを学び始めた方や学んだ方は1度は必ず耳にする言葉ですね。でも、中々答えまでは教えてはくれません。恐らく、そう口にする先生やPも、答えを知らないんじゃないかなと思ったりして。(笑)
ドラマの主人公は人間が主です。犬や猫が主人公でも擬人化しているから、そうしないと人間にはわかりませんので、形を変えただけの「人間」を描いていますよね。なのに「人間が描けていない」なんてお叱りを受ける。ふーむ、困りましたね。1つの答えは「人間(らしく)ない」ということでしょうね。作者が嘘で創り上げた人間で、生きた実在の人間「らしさ」が感じられないというご指摘。もう1つには、人間には様々な感情などがあって、それを描くことで観る方に共感や感動が伝わるというドラマ制作の根幹がありますね。そこが抜けているというご指摘でしょうか。これらを合わせて「作者にとって都合良くて楽で薄っぺらな人間を描いている」という指摘で「人間を描け」と言い表しているのだと思います。 (2007.08.18) |
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演じてもらう役者さんを指定しても良いですか? |
イメージキャストを書いてもいいのでしょうか? |
失礼な言い方ですが、視聴者レベルのご質問ですね。(笑) 思い入れがおありなのでしょうが、どうしてその役者さんでなければいけないのでしょうか? 穿った見方ですが、単なる贔屓目やご縁を得たいというスケベ根性が見え隠れしているようにも思えます。また、役者の当て込みという依頼は、プロにはありますが、公募に応募する場合、貴方がお書きになった作品が実現する基本のルートは、まず作品の内容で採用可否が決まり、それからキャスティングです。実現の可能性(受賞、放送決定)が出た時点で、ご自分の配役希望、イメージキャストをお伝えになれば良いでしょう。もちろん、その思いが創作の活力になることは承知していますが、残念ながら応募作品の中でそれを伝える方法はありません。公募作品ではなく、持ち込みの企画書や台本をお考えになっては如何でしょうか?
(2003.06.01)
役者指定の妙案が1つがありました。思い出しましたので、他のご質問「人物表」のお答えに加えておきます。
(2003.06.15)
上記お問い合わせは懸賞公募作品指導です。脚本家として認められれば、俳優の指定を受けて創作する場合もあります。
(2007.11.15) |
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服装や髪型などは、どの程度まで指定すれば良いのでしょうか? |
体格なども表す必要があるのでしょうか? |
ドラマの面白さには幾つかの要因がありますが、特にキャラクターの面白さは重要ですね。服装や髪型、太っているとか痩せているとか、そんな表記、表し方をどうしたらいいのだろうかと悩まれてご質問を受けます。でもそんなご質問に、ふと疑問を感じます。それは些細なことで、人物の外見などに拘って思い巡らすのは、本末転倒なのではないのだろうかと思えるのです。生活を描くのではなく、性格を描く。性格を描くために生活を創る、本来はそんな思考の流れではないでしょうか。ご自分のイメージを大事にされるのは結構ですが、ステレオタイプは詰まらないし、外見と違う人間というのも面白い。外見に拘るほど、見失うモノがあるような気が致します。 (2002.04.14) |
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人物が歳を取っていく場合、どう表せば良いのでしょうか? |
確かに、人物がドラマの進行に合わせて歳を取る作品がありますね。大概は役者のメーキャップや扮装、演技などで分かり、説明の必要もありませんが、それ以外の説明方法もあります。例えば単純にタイトルで「○○年後」と表す方法。ナレーションや台詞のやり取りで、「あれから○○年」と語らせる手。季節や風景の移り変わりで見せる手法などです。 (2001.11.09) |
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それまでに登場していた人物が覆面をして現れた場合の書き方は? |
スーパーマンやバットマン、スパイダーマン、怪傑ゾロに遠山の金さん、素顔をさらしておいて途中からの変身ですね。お話の筋や展開で、観客は覆面した人物が、実は誰かを知っています。これとは別に、悪役が覆面で顔を隠して悪さをし、後で真犯人とわかる物語もあります。最初からその正体を分からせて進めるドラマとドンデンの意外性で驚かせる展開。この2つの大きな違いがありますね。後者の場合、恐らく台本上でも、その正体が最後までわからない描き方になっているはずです。
(2002.05.12) |
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人間観察の方法について、押さえるべきポイントとかご教授下さい。 |
黒澤明監督がまだ世に出る前、日がな一日、山手線に乗っていた。 それは、前の座席に坐り、移り行く人々を観察して、人物の引き出しを増やすため。
菊島隆三先生から、そんなエピソードをお伺いしたことがあります。人物を観察し、デッサンしながら創作のヒントを得たり、引き出しを増やす作業、これはとても大切なことですね。その習練を積み重ねることで、登場人物たちが勝手に動き出すという領域に達するのでしょうか。人間観察やデッサンをする上で、ポイントというか、大きな2つの視点やスタンス、捉え方や手順があるように思います。1つは、日常や周りにいる人物の中から際立つモノを探し、引き出す。もう1つは、際立っている人物の個性を広げて膨らます。
(2003.05.11) |
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主役、脇役、端役、チョイ役と、色々あるようですが、それぞれの役割は? |
主役 |
ドラマの主人公。物語の流れの中心にいて、テーマも語ります。主演。 |
相手役 |
例えば主役が恋をする相手。助演。コンビの物語であれば共演。 |
脇役 |
敵役、恋敵、友人、隣人など。主役を刺激する存在。 |
端役 |
チョイ役。ドラマの流れに影響を与えず、でもその場に必要な存在。 |
エキストラ |
通行人、店の客、群衆など。他との明確な違いは台詞の有無。 |
カメオ |
cameo 友情出演など、有名な役者が、通常ワンシーンだけ登場。 |
(2002.01.21)
ホームページの中にまとめました。ご参照ください。
http://kuram.tv/02scenario/21kiso/zinbutu.htm
(2002.02.21) |
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エキストラは端役とは違いますか? |
エキストラは「群集」のイメージが強いですね。十把一絡。(笑) 「端役」は「役」とある以上、何か「役目」があるはずですから、同じものとは言えないと思います。
(2001.11.09) |
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カメオというのはなんですか? |
主役以外の脇役なども有名な俳優で固めること、有名俳優などのゲストが少しだけ出演することですね。カメオはブローチなどの「浮き彫り」のことですが、「浮き出ていない部分も作品として重要である」と、映画「80日間世界一周」(1957年)のプロデューサー(マイケル・トッド/Michael
Todd)が言い出して定着したようです。
(2001.12.13) |
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友情出演にギャラは発生するのでしょうか? |
どうでしょうか。良く知りません。ただ、普通よりは安いんじゃないでしょうか。制作者や出演者のご縁ですよね。友達価格とか、割り勘とか……。(笑)
(2005.06.05) |
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特別出演は友情出演と違いますか? |
友達じゃない、そんなこと言ったら怒られちゃう……そんな格上の方に出演をお願いするときに使うみたいです。だから出演料も奮発して口説くでしょうね。
(2005.06,23) |
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登場人物を考えるとき、どんなことを考えれば良いのでしょうか? |
その人物が「何を考えるか」ではなく、「どう行動を起こすか」でしょうか。考えて立ち止まっていては絵になりませんし、ドラマも生まれません。動きのある映像を思い浮かべて、その人物の行動を追う、そこで「何でこいつは、こんなことしているの?」そんな疑問が生まれたらしめたものです。作者の疑問からドラマの創作ヒントや核、意外性などが生まれます。
(2003.11.19) |
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人物の心情表現はどうすれば良いのですか? |
人物の感情を表す良い方法はないでしょうか? |
幾つかの技法があります。例えば台詞で直接語る、動作や表情などで見せる、間接的にナレーションで語る、情景や風景などで思わせる、夢や幻想、回想などで表現する、小道具や事物を用いて連想させる、音楽・音響、カラーやキャメラ構図などで象徴する、などでしょうか。
(2001.08.23)
ホームページの中にまとめました。ご参照ください。
「心理描写」 http://kuram.tv/02scenario/21kiso/sinri.htm
(2002.02.2) |
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人物の個性(キャラ)を表す良い方法はないでしょうか? |
まず第一に考えられるのが「癖」ですね。仕草や言葉。塾生専用HPの「履歴書」の中にまとめていますので、ご参照ください。
(2005.09.11) |
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「ワンパターンな人物だ」というご指摘がわかりません。 |
有り勝ちな台詞を語る類型人物で、魅力なく、陳腐だという意で申し上げました。ドラマの展開も同じ意見です。
(2002.07.03) |
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「人物がステレオタイプだ」とは、どういう意味でしょうか? |
ステレオ-タイプはステロタイプとも言い、「ものの見方・態度や文章などが型にはまって固定的であること」「紋切型」という意です。辞書を調べれば載っています。一般的な知識については、ご自分の労を惜しまずにお調べください。
(2002.07.03) |
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「主人公には枷が必要」というご意見ですが、具体的にはどんな「枷」ですか? |
その人物が置かれた状況によって異なりますね。そこがドラマを産み出す核でしょうから、浮かばないようであれば作家には向いていません。
(2002.06.23)
誘い水を幾つか。例えば主人公自身の生命や財産、名誉名声などが脅かされている。その家族に危機が迫っている。
(2005.03.19) |
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主人公の葛藤不足は解っていました。何かヒントになる例をください。 |
彼が何を求めているかを、もう一度考えてみてはどうでしょうか? 求めるものがなければ葛藤も得られません。現象(葛藤を探す)に囚われずに本質(原因や要因)を探りましょう。それが明らかになれば障害も生まれ、その壁にぶち当たった主人公の枷が何かもおわかりになると思います。今回の作品については、まずは子供を、聞き分けがよく理解あるいい子にしない、わがまま勝手に振り回す悪がきにすることですね。
(2004.09.21) |
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日常描写ではいけませんか? |
日常描写はドラマではありません。
(2003.04.12) |
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「生活動作」と「性格動作」というご指摘が理解出来ません! |
「生活動作」はドラマを描く場合、取り上げてもあまり意味がありません。人物を描くのがドラマの基本だからです。そのため「性格から現れる動作を描いたほうが良い」という意味で申し上げました。「日常描写」と同じ意味と意図です。
(2002.05.18) |
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「人物描写が細かい」ですが、イメージを大事にしてはいけないのでしょうか? |
話をすり替えて、ご自分を正当化なさっています。シナリオ作家を目指す目的は何なのでしょうか? ご自分のイメージをただ押しつけるのはマスターベーションに付き合えと言われているようで不愉快でしょう。相手に受け入れてもらえる、相手のためへの親切や喜びを前提としたイメージを大切になさってはいかがでしょうか?
(2002.05.23)
上記回答で塾生をお一人失いました。 (2007.12.03) |
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(キャラクター表について)あそこまで考えないといけないのですか? |
(塾生専用HPの)履歴書のことですね? 細かな項目を並べていますので驚かれたのでしょうが、あれを全部応募原稿の人物表に並べ立てる必要はありません。それは無駄です。放送の中で取り上げるコーナーはありませんから。あの項目を埋めることによって、台詞や動作が浮かぶはずです。もっと細かく、人物が暮らしている生活環境や空間まで浮かんでくるでしょう。大変な作業ですが、人物が浮かばない、動かないうちは、項目を埋める作業をお薦めします。
(2006.09.29) |
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ブログの再開を楽しみにしています。昨年暮れ(12月4日)の人物表について、もう少し詳しい記事をお願いします。 |
例えば「年齢」「職業」「性格「現状」「過去の状況」「枷」「癖」「趣味」みたいなキーワードから膨らませるイメージですね。塾生支援ページにある履歴書創りの項目はこれらを細分化させ、例えば「生活」という項目の中に「家族」「居住」「友人」「異性」などを加え、「職業」であれば、ドラマに登場する主人公や被害者、脇役たちの職業、或いは塾長が気になっている職業などを思い付くままに紹介しています。それらの項目に頼らなくても、様々なご自身が思い付くキーワードでネット検索すれば、貴方独自の意外なヒント、着眼も得られでしょう。
(2008.03.05) |
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名前を付けるのに苦労しています。何か妙案はないですか? |
大した役割を待たない人物であれば、電話帳でも捲るのが手っ取り早いです。主人公級であれば「名は体(たい)を表す」という格言かことわざを大事にして、イメージを膨らませてみましょう!
(2003.10.12) |
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「おかま」はダメですか? |
有り勝ちですね。ニューハーフではなく「おかま」。脇役に多く、キャラクターの面白さだけに頼って、人物軽薄、軟弱、お人好しとして描かれることが多いです。特に女性の主人公や子供との友情関係で登場させる傾向が顕著ですね。
(2004.09,21) |
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「子供」を扱うドラマはどうでしょうか? |
ドラマの世界では「子供と動物とアイドル」には敵わない、と先輩ライターから伺ったことがあります。素材として扱うのは結構ではないでしょうか。でも、子供たちばかりを集めた「学芸会」になるのはNGですよね。それと、有り勝ちな「家庭に恵まれない」「両親の不和」「片親」「ちょっと捻って病気を抱えている」みたいな陳腐な、それだけに頼る扱いも、ご勘弁いただきたいな。(笑)
(2004.10.02) |
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