作者の思い
作品には送り手の意図する「思い」が込められています。では、貴方が選んだ作品を生み出した作者は、どのような「思い」をその作品の中に込めているのでしょうか。作者自身が何の「思い」もなく生み出した作品が、受け手の琴線に触れ、「感動」や「共感」を生むはずもありません。その作品を生み出した作者の「思い」について、再度考えてみて下さい。 |
盗む
貴方が選んだ作品は、貴方の「琴線」に触れた作品であるはずです。そしてそこには、貴方の今後の創作上の「核」となるモノが隠されています。それが何なのか、貴方はまだ見出してはいないかも知れません。でも、選んだ作品たちから、何かを学び、何かを盗み取り、何かを探り当てることが出来ます。そのためには、まずその作者の視点や視野で、その作品を見直してみることが役立ちます。 |
2人の作者
作者の思いを推測することで、2人の作者が生まれます。その作品を生み出した作者と、その思いを見破り、再認識する、或いは作者も気付かなかった新たな側面を発見し、新たな作品を生み出し、飛躍させる貴方です。 |
喜怒哀楽
感動を得る、与える作品には様々な要素があります。その要素は、端的に言えば人が感じる喜怒哀楽という感情に関わります。貴方が前回の講座で選んだ作品は、人の喜びに関わる作品でしょうか、それとも怒り、悲しみ、或いは楽しみでしょうか。そこにも作品のテーマ(主題)が隠されています。 |
謙虚
基礎講座の最大の狙い・目的は、受け手ではなく、送り手になるための鍛錬です。課題を消化することに捕われて本質を見失わないで下さい。まずは謙虚な気持ちで貪欲に、ご自分が感動した作品たちが語る様々な事々に耳を傾けましょう。 |
創造者
作家は依頼されたことだけを事務的にしていてはいけません。口を開けて待っていても何も生み出せません。創造者として常に自分から発信していく姿勢が大切です。ですから与えられた課題でも、相手の意図を読み取り、自分なりにその課題を消化し、その上を行く提出を求めています。前回の課題は、「受講前挨拶」でも述べた「作者の思い」を受講生たちが理解しているかどうかのテストでもありました。貴方自身が選んだ作品の、その作者の思いを推測もせず、作家としてのご自分の思いを語ることもなく、安易にタイトルの羅列だけで済ませている回答は全て不可(C)にしています。 |
色眼鏡
作品を色眼鏡で見るのは危険です。例えばジャンルにこだわり、ご自分が感動する作品はこの類と決めつけて、それだけしか観ない、或いは世間の評判や評価に左右されて選ぶだけで、しかもご自分の考えや意見が見出せない。それではただの観客で、創造者を目指せないのではないでしょうか。ご自分の好みなどを決めつけなければ、もっと多くの作品と出会えます。色々なことをそれらの作品やご自身の中から見出せます。優れた作品にも駄作にも、様々な要素やご自分の新たな視点を見つけることが出来ます。それらを見つけることで、今後貴方が創り出す作品に広がりや深みが出ます。 |
客観性
前回「A」評価を与えた回答の大半は、個人的な思いが強く、相手を納得させるだけの、その作品の魅力の提示が欠落しています。つまり客観的にその作品、番組を語ってはいないことが多いようです。客観で語るということは、観ていない人に対する配慮が生まれるということです。そのような場合には「S」評価にしています。作品の中にのめり込むのは危険です。これは創作上でも言えることで、ご自分の作品であっても、常に覚めた視点、客観で見ることが必要です。 |
持てる力
ご自分の中に「力」があります。それは様々な分野でも活躍出来る可能性を秘めた無尽蔵の力です。それをどれだけ引き出せるのか、それが今後脚本家として活動して行く上でも勝負どころになる筈です。力の有無や優劣、他人との差に思い悩むのではなく、如何にして自分自身の持てる力を引き出すのか、それを常に考えながら講座の課題に取り組んで下さい。 |
模範評価
前回の課題回答に対する評価は、文句なしの「S」です。大抵の受講生は、第1課題回答に感想や個人的な評論をお送り下さるのですが、貴兄の場合は、ご自分がその作品のどこを観て、何に感動したのか、簡潔かつ的確なあらすじで表せています。また、シナリオ創作の基礎である客観表現が出来ています。これは、基礎講座の根本の意図を理解され、シナリオ創作のベースや、作品を観、生み出す視点も修得済ということです。 |
|